2026年4月14日火曜日

MHM及び防災教育調査実施可能性について①

本研究では、MHM(月経衛生管理)に関する追加調査、及び、防災教育に関するパイロット調査のために、女子宗教学校(マドラッサー)における今後の調査および事業実施の可能性を探るために、KP州アボタバードのあるマドラッサーを訪問しました。以下は、その結果です。

パイロット調査対象のあるマドラッサー


今回の訪問調査の結果に基づき、当該マドラッサーにおけるMHMおよび防災教育の調査実施可能性について検討したところ、現段階では極めて困難であるとの結論に至りました。その主な要因と今後の方向性は以下の通りです。

1. 外部組織に対する強い不信感と情報アクセスの制限

面談を通じ、校長をはじめとする施設側には、外国機関やNGO、政府機関といった外部組織に対する根強い抵抗感と不信感があることが確認されました。これらの訪問は機密情報の収集が目的であると警戒されており、校長は外部との情報共有に非常に消極的です。特に、面談中に特定の団体名を出すことがさらなる拒絶反応を招く恐れがあり、信頼関係の構築が困難な状況にあります。

2. 宗教的信念に基づく介入への拒否

MHM及び防災教育の両分野において、強固な宗教的信念が外部からの支援を拒む障壁となっています。

  • 防災教育: 「すべての結果は神(アッラー)によって定められる」という信念から、避難や予防措置といった行動を否定しています。また、災害時であってもベール着用(パルだー)の維持が優先され、屋外への避難を避ける傾向にあるなど、命を守るための物理的な安全確保と信仰が対立しています。

  • MHM: 生理用品や設備の提供は一切行われておらず、生徒は自助努力を強いられています。校長はこれらについても外部の介入は不要であると明言しており、女子生徒が不便を強いられている実態があるものの、制度的な改善を受け入れる余地が見られません。

3. 施設の脆弱性と制度的・財政的制約

マドラッサーの建物自体、壁の損傷や洪水被害など物理的な脆弱性が深刻です。しかし、テロへの懸念から公式な銀行口座の開設ができないといった制度的な制約があり、個人の口座で運営せざるを得ないなど、透明性や行政上の課題も抱えています。このような不安定な組織基盤は、継続的な支援事業を実施する上での大きなリスクとなります。

4. まとめ

以上の通り、情報共有への消極性、外部介入への拒絶、そして組織としての閉鎖性を考慮すると、当該施設でMHMや防災教育の調査を効果的に実施することは、現時点では現実的ではありません。


今後の予定としては、その他の2か所のマドラッサーを訪問し、調査が現実的かどうか、最終確認する予定です。

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