今回は、学校安全に深く関係するスクールバッグの重さの規定を紹介します。
パキスタンKP州では、スクールバッグの重さの制限を規定する法律「THE KHYBER PAKHTUNKHWA SCHOOL BAGS (LIMITATION OF WEIGHT) ACT, 2020 (KHYBER PAKHTUNKHWA ACT NO. XLVII OF 2020)」が制定されています。
同様の法律は、隣国インドにおいても同じ2020年に「School Bag Policy, 2020」という名称で策定されています。同政策では、以下のような記述があります。
「子どもや青少年の姿勢の悪さや腰痛の問題は、インド国内外で注目を集めている。科学誌でも頻繁に取り上げられている。以下に、いくつかの論文からの抜粋を挙げる。「通学中の児童における腰痛の一般的な原因の一つが通学カバンである。重いカバンを背負うと、子どもは体を前に傾けてバランスを取ろうとするが、これにより首、肩、背中の筋肉に負担がかかる。また、カバンの着脱が困難になったり、学校でカバンを背負ったまま頻繁に転倒したりすることもある」 (R. Avantika 他, 2013) 7歳から8歳の時期には、後弯姿勢やバランスの取れた姿勢が主流となる。しかし、子供が学校に通い始めると、座っている時間が長くなり、姿勢形成の障害につながる可能性がある。したがって、この時期は「姿勢形成の最初の臨界期」と呼ばれている(Katarzyna Walicka-Cupry 他、2015年)。さまざまな国際機関が、体重に対するランドセルの重さについて、時折推奨を行ってきた。例えば、2009年には、米国作業療法士協会(AOTA)と米国理学療法士協会(APTA)が、生徒の体重の15%(あるいは10%から20%の間)を超える重さのリュックサックを背負わないよう推奨した。さらに2012年には、これが体重の10%に変更された。米国カイロプラクティック協会(ACA)は、リュックサックの重量を子どもの体重の5~10%以内に抑えるよう推奨している。(Katarzyna Walicka-Cupryś, 2015)
Katarzyna Walicka-Cuprys, Renata SkalskaIzdebska, Maciej Rachwa B, and Aleksandra Truszczy Nska. 2015. Influence of the Weight of a School Backpack on Spinal Curvature in the Sagittal Plane of Seven-Year-Old Children, Research Article, Hindawi Publishing Corporation, BioMed Research International Volume, 2005.」
また、アラブ首長国連邦(UAE)にも同様の取り組みが、2024年策定の「SCHOOL POLICY on HEALTH AND SAFETY」 において規定されています。以下の、表2はUAEの規定です。