2025年11月28日金曜日

パキスタン出張:3週目

 3週目(2025年11月23日~29日)の前半はCESA2025への参加でしたが、後半の26日からは、イスラマバード、アボタバードの関連機関への訪問、本研究の現地協力者との打合せを行いました。

現地NGOのCHIP(Civil Society Human and Institutional Development Programme)のイスラマバード事務所に訪問し、同NGOの戦略、実施中事業の説明を受けつつ、現地協力者であり、かつ同NGOのスタッフとして活躍するNawaz氏と、これまでの調査(アボタバード山岳部の学校のWASH、同地域のコミュニティの人々を対象とした呼吸器官疾患と環境、伝統医療等)に関する確認と今後の進め方について議論した。Nawaz氏は、2009-2011年にアボタバードで実施されたJICA技プロ「障害者社会参加促進プロジェクト(A STAR Project)」の元スタッフであり、障害当事者でもある。

保健省傘下のNIRM(National Institute of Rehabilitation Medicine)の理学療法部門を訪問し、本調査にかかる情報共有を行った。同部門では長期間にわたる複数職種のJICA海外協力隊や2005年の北部地震後の隊員チーム派遣、現地理学・作業療法士のJICA本邦研修への参加などが行われてきた。
JICAパキスタン事務所を訪問し、CESA2025、本調査に関する報告とともに、インクルーシブ教育にかかる情報交換を行った。本科研事業代表の高柳妙子氏と現地協力者の池田直人氏はいずれもJICA海外協力隊の元隊員であり、パキスタンの教育への思いは強い。
アボタバードにて、現地協力者のSumaira氏との打合せ。今回は特に、MHM(Mestrual Hygiene Management)に関する調査について、今後の計画、対象者の選定を含めた準備と今後の方針について議論した。Sumaira氏もA STARプロジェクトの元スタッフであり、障害当事者である。
アボタバードのLight House School for Blind Girlsを訪問。校長のAyaz氏は、全盲の視覚障害当事者である。写真はJAWS(英語版)と呼ばれる視覚障害者向けのスクリーンリーダーがインストールされたパソコンで、生徒がタイピングの練習をしている様子。同校には、WWFとFCDOによって寄付された太陽光発電システムが設置されていた。

アボタバードはイスラマバードよりも北部にあり、気温も数度低い。レンガと鉄骨で作られた建物内はさらに温度が低く、生徒たちは校庭で授業を受けていた。Light House Schoolには、アボタバード外、遠くはカシミールから、寮に入って学ぶ女子生徒もいる。



2025年11月25日火曜日

アジア比較教育学会(CESA)に参加・発表

 

アジア比較教育学会(Comparative Education Society of Asia: CESA)への参加・発表のご報告です。1123日(日)~25日(火)にパキスタンの首都イスラマバードで開催されたCESAには、アジア地域から多くの研究者が集いました。アフガン国境周辺でのターリバーンとパキスタン軍との衝突など、治安の悪化も懸念されており、オンラインでの参加も目立ちました。

 

CESAを開催したAIOU(Allama Iqbal Open University)のInclusive / Special Education DepartmentのHina Noor氏は、今回の我々の発表に感銘を受け、今後の国際学会・会議での登壇の依頼があった。
次回のCESA2027議長国であるインドネシアの研究者(現在広島大学に籍を置く)たちとの意見交換
広島大学、大阪公立大学等の研究者へのご挨拶
本研究の発表の様子。現地協力者のMuzammal Islam氏。
本研究発表のセッションメンバー。日本、中国、パキスタンからの発表者。平和教育や日本の大阪市における人権教育等に関する発表がなされた。
CESA新議長として、広島大学の日下部達哉氏が就任した。
AIOUのFacebookにてCESA2025閉会式の様子が動画公開されている。



2025年11月21日金曜日

パキスタン出張:2週目

 

障害当事者団体STEP(イスラマバード)への訪問、代表のAtif Sheikh氏と打合せ

NGO運営のAl-Hudaろう学校(KP州アボタバード)への訪問

障害当事者リーダーたちとの打合せ(アボタバード)

インクルーシブ技術訓練センターへの訪問(アボタバード)

有価物回収業者への訪問と児童労働に関する聞取り(イスラマバード郊外)

障害児の親の会との打合せ(KP州ハリプール)

難民を助ける会の活動(バリアフリーワークショップ)への参加(ハリプール)

ジェンダー&インクルージョン専門家との打合せ(イスラマバード)









2025年11月16日日曜日

パキスタン出張:1週目

池田直人氏(研究協力者)が、様々なステークホルダーへの訪問と打合せを実施しました。 本研究(科研海外連携)に加え、他の研究(科研基盤B)も併せて、障害のある女性の月経衛生管理(MHM)、山岳部の学校の水衛生(WASH)、山岳部における呼吸器系疾患・喫煙・大気汚染、子どもに使う伝統医療、廃棄物管理における児童労働、障害児の学校安全に関する調査概要の説明を行いました。また、イスラマバードで開催されるアジア比較教育学会に関する情報共有を行いました。

難民を助ける会パキスタン事務所小柳氏と打合せ
教育学者であり私立学校を運営するWahid Mir氏との打合せ
イスラマバード郊外の私立学校Modernage Schoolの訪問
KP州アボタバードの特殊教育センター訪問
KP州アボタバードで現地協力者との打合せ
イスラマバード郊外の野菜市場での児童労働に関する情報収集











2025年11月11日火曜日

パキスタン出張(2025年11月7日~12月5日)

  本事業研究協力者の池田直人氏が11月7日から12月5日までパキスタンに出張しています。

主な目的は、初めてパキスタンで開催されるアジア比較教育学会(Comparative Education Society of Asia: CESA)への参加・発表のためです。CESA2025では、“Challenges to Inclusive and Equitable Education”をテーマにしています。

池田氏とともに、難民を助ける会の障害と開発分野の専門家であり、本事業現地研究協力者であるのMuzammal Islam氏による共同発表で、タイトルは"Meaningful participation of parent group of children with disabilities to promote Inclusive Education in Khyber Pakhtunkhwa, Pakistan."です。

ほとんど研究がなされいない、パキスタン北西部のKP州において、2020年からインクルーシブ教育事業を実施している難民を助ける会の活動の中で得られた知見を活かしつつ、現地での聞取り調査を行った結果をCESA2025で発表します。従来の教員訓練、学校環境整備、カリキュラム開発、啓発活動といった活動に加えて、就学する障害のある児童生徒の保護者の育成、保護者のグループ形成支援・強化が、難民を助ける会の事業の特徴です。障害者の権利条約のスローガンである「Nothing about us without us」、条約のなかで何度も現れる障害者の「Meaningful Participation」というキーワードに直接関連する研究です。


「共食」が守る子どもの未来:日本の子ども食堂とパキスタンのLangar(ランガル)

  子どもたちが健やかに育ち、安全に学校へ通い続けるためには、栄養バランスの取れた食事と、地域社会の中に自分の「居場所」があるという安心感が不可欠です。今回は、日本で広がる「子ども食堂」と、パキスタンに深く根付く「Langar(ランガル)」の精神を紐解きながら、子どもたちを支える...